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ファンタシースターオンライン

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テンプレート:オンライン 『ファンタシースターオンライン(PHANTASY STAR ONLINE)』(略称『PSO』)は、SEGAが2000年12月21日に発売した家庭用ゲーム。
そしてそれに端を発した『ファンタシースターオンライン』シリーズの総称。

概要

ドリームキャスト、ニンテンドーゲームキューブなどで発売された、SEGA(現「株式会社セガゲームス」)初のオンライン対応ロールプレイングゲーム。
『PHANTASY STAR ONLINE』の頭文字を取って『PSO』と呼ばれている。
また、近年ではSEGA公式[1]により「ぷそ」、そしてファンタシースター作品に馴染みの薄い一部のユーザー間では「ファンスタ」と略されている[2]

キャッチコピーは、『「はじめまして」から始まるRPG[3]』、『英雄は、ひとりじゃない』。

プレイヤーがメイキングしたキャラクターは、移民船『パイオニア2』から惑星ラグオルの地表へと降り立ち、
消息の途絶えた先遣隊「パイオニア1」の足跡を辿りながら、新米「ハンターズ」として様々な任務へ向かうことになる。

ストーリーは、後続の『ファンタシースターユニバース』や『ファンタシースターオンライン2』のような「ストーリーモード」や「ストーリークエスト」という形では存在せず、
惑星ラグオルのフィールド上に設置されている「メッセージカプセル」をプレイヤーが読んだり、
ハンターズギルドで受注できる「クエスト」を達成していくことで登場人物達の行動や台詞が徐々に変化し、それらからストーリーを感じ取るような設計がなされている。
これは、オンライン対応ロールプレイングゲームということで、フレンド達とのプレイや限られた時間でのプレイの邪魔にならないよう制作側が配慮したものである。
この手法は「PSO廃人」を自称する「永野 護」氏に非常に高く評価された。

開発はファンタシースター4部作と同じ『ソニックチーム』。
プロデューサーは中 祐司
ガル・グリフォンやオルガ・フロウなどのモンスターデザインをメインデザイナーの酒井 智史が担当。
メインイラスト・キャラクターデザインを水野 暁一、サウンドは小林 秀聡床井 健一熊谷 文恵らが務めた。

プロローグ

「パイオニア計画」・・・ それは、母なる大地の衰えにより余儀なくされた大規模移民計画である。[4]
無人探査機によって発見された惑星「ラグオル」に超長距離惑星間航行用の移民船「パイオニア1」が到着した。
移民団は調査を行い安全を確認、本格的に居住のための開発を開始。周辺地域の環境を整備し、生活の拠点となる「セントラルドーム」の建設に乗り出した。

・・・そして7年後。

「パイオニア1」からの招聘を受けて、本格的な第二移民船「パイオニア2」が惑星「ラグオル」を訪れる。

衛星軌道上に「パイオニア2」が到着し、「セントラルドーム」と通信回線を開く直前、惑星表面上に大爆発が発生。

「セントラルドーム」との通信は途絶えた。



いったい、惑星「ラグオル」に
 何が起こったのだろうか・・・。

オープニング 通信回線を開こうとするセントラルドーム ラグオル地表で起きた謎の大爆発

各エピソード

ドリームキャスト(DC版)で発売された『PHANTASY STAR ONLINE』を筆頭に、ゲームキューブ(GC版)やXbox版、Windows PC版などで移植やリメイクが行われ、オンラインサービスが展開されていた。
DC版は2000年12月21日に、Windows PC版は2001年12月20日に発売。
GC版とXbox版の『PHANTASY STAR ONLINE EPISODEⅠ&Ⅱ』はそれぞれ2002年9月12日(GC)と2003年1月16日(Xbox)に発売された。
PSOはEPISODEⅣの『PHANTASY STAR ONLINE Blue Burst』まで続き、2010年12月27日に全てのサービスが終了した。

EPISODEⅠ

無印PSO バナー

無印PSO、『PHANTASY STAR ONLINE』。
ラグオルの遺跡に封印されていたダークファルスの封印を、闇の力に操られたパイオニア1の科学者達が解いてしまったことから壮絶な戦いの幕が上がった。
プレイヤーは、総督府のコリン・タイレルに呼び出され、消息を絶ったパイオニア1の乗員達の探索とラグオルの調査を依頼される[5]
EP1では、リコ・タイレルというハンターの足取りを追いながら、ラグオルに隠された謎を解いていくことになる。

ラグオルの地下、遺跡に到達できた時、プレイヤーは何を見るのか……?

EPISODEⅡ

PSO EPⅠ&Ⅱ(GC)バナー
PSO EPⅠ&Ⅱ(Xbox)バナー
PSO EPⅠ&Ⅱ Plus (GC)バナー

『PHANTASY STAR ONLINE EPISODEⅠ&Ⅱ』で追加された。
EPⅠも同梱されており、本作で両方のエピソードを遊ぶことができる。
EPⅡでは、EPⅠのリコのように、とある軍人がフィールド上に残した記録/通信装置で、その軍人の足取りを追うことになる。
パイオニア2のラボからの依頼で「ヴァーチャル空間」である「VR神殿」と「VR宇宙船」で戦闘データの採取と特殊な任務を指示される。
メインの舞台となっているのは「ガル・ダ・バル島」にある「中央管理区」と「海底プラント」。
後にGCで発売された『PHANTASY STAR ONLINE EPISODEⅠ&Ⅱ Plus』では、ゲームボーイアドバンスとケーブルで接続し、ミニゲームをダウンロードして遊ぶことができる機能も搭載されていた。

EPISODEⅢ

PSO EPⅢ バナー

突然カードゲーム化した。正式名称は『PHANTASY STAR ONLINE EpisodeⅢ カードレボリューション』。
EPISODEⅠ&Ⅱの21年後のラグオルで起きた、C.A.R.Dと呼ばれる新技術を巡る、「ハンターズ」と「アークズ」の争いを描いた作品。
パッケージに記載されてるキャッチコピーは「ラグオル三部作、完結」。
PSO EPⅠ&Ⅱと共に、2007年3月31日にサービスが終了した。

  • 詳細はPSO EPⅢの個別ページ参照。

EPISODEⅣ

PSOBBバナー

従来のアクションRPGに戻っている。2004年7月8日正式サービス開始、2010年12月27日サービス終了。
正式名称は『PHANTASY STAR ONLINE Blue Burst (ファンタシースターオンライン ブルーバースト) 』、略称は『PSOBB』。
オフラインモードがなくなり、オンライン専用ゲームとなった。
EPⅠとEPⅡの内容をベースにバランス調整され、EPⅣの追加ストーリーとオリジナル要素も盛り込んだ。

  • 詳細はPSOBBの個別ページ参照。

世界観・用語

  • 主な舞台
ラグオル
PSOの舞台となる『惑星ラグオル』。
森、洞窟、坑道、遺跡、VR (ヴァーチャル) 空間、海底プラント、砂漠など後のシリーズでも定番となったステージが多い。
詳細はラグオルを参照のこと。
コーラル本星
PSOの登場人物達の母星。
詳細はコーラルを参照。
パイオニア2
プレイヤーキャラクターおよびNPC達の拠点となっている惑星間航行用の大型移民船。
詳細はパイオニア2を参照。
ハンターズ
傭兵のようなもの。
プレイヤーがクリエイトしたキャラクターは「ハンターズギルド」に登録され、方々から依頼された任務に赴く。
詳細はハンターズを参照。
パイオニア1
パイオニア2と同じく「パイオニア計画」のために建造され、7年前にラグオルへ派遣された大型移民船。
詳細はパイオニア1を参照。
セントラルドーム
人類の移住用に『惑星ラグオル』に建造された巨大なドーム。「パイオニア計画」の要だったが、謎の爆発事故で状況が一変する。
余談だが『PSO2』で「期間限定緊急クエスト」として配信されている『アークスシップの炎渦』は、本作のクエスト『セントラルドームの炎渦』[6]が元ネタ。
  • 用語
パイオニア計画
戦争と環境汚染、人口爆発などの理由により、人類が可住できる新天地を外宇宙に求めてコーラル本星から旅立つという、大規模な移住計画。
ブルーバースト
ラグオルで起きた謎の大爆発(ダークファルスの復活で発生)を後にこう名づけた。
衛星軌道上からでも爆発が確認されたことから凄まじい規模だと思われる。
セントラルドームは半壊したが、ラグオル地表(森)は、地形も自然物も破壊されていないという不思議な状況だった。
オープニング映像を注意して観ると、爆発の時にダークファルスらしき生物の影が確認できる。
三英雄
ドノフ・バズ」、「ゾーク・ミヤマ」、「ヒースクリフ・フロウウェン」の3人。
詳細は三英雄を参照。
ブラックペーパー
パイオニア2に潜伏している裏組織。
詳細はブラックペーパーを参照。
D因子
物語の発端、すべての元凶のようなもの。
謎の細胞であり、これを解析した情報を基に「パイオニア計画」が提唱され、マグなどの技術が開発された。
詳細はD因子を参照。
遊覧船グラン・スコール
パイオニア2に何者かが秘密裏に搭載していた小型の遊覧船。
パイオニア2がセントラルドームとの通信を開始する前に勝手に降下を始めており、後に救出されたルピカ以外の乗員が一人もいないなど不審な点が多い。
セクションID
本作のゲームシステムのひとつ。
詳細はセクションIDを参照。
総督の部屋に寄って行く?>みんな
チャットのワードセレクト機能によって生成された、おもしろい文の例1。なぜか流行った。
「総督の部屋」とは、タイレル総督のいる「総督府・執務室」のこと。
アイスアイスアイス>みんな
チャットのワードセレクト機能によって生成された、おもしろい文の例2。なぜか流行った。
ちなみにPSPo2のダウンロードミッション『トロクロのPS冒険日記』でクロが唐突にこれを発言したことからPo2ユーザーにも認知された。
突然だが、ワシの命は あと30分じゃ!
三英雄の一人、ドノフ・バズの迷言。
内容は割とシリアスめなクエストなのだが、この台詞のせいでドノフ・バズという人物がコミカルな爺さんとして認識された。
現在でも一部のPSO出身ユーザーに語り継がれている。

登場人物

詳細はファンタシースターオンラインの登場人物を参照。

季節イベント

季節ごとのイベントクエスト配信[7]と、パイオニア2のシティやビジュアルロビーがイベント用の装飾とBGMに彩られる。

イベント名 クエスト名 配信時期 備考
お正月 『お年玉プレゼント』
『クレアの取引』
『Maximum Attack 3 Ver2』
1/1〜1/16頃
バレンタイン[8] 『バレンタインイベント』
『ガロンズショップ バレンタインVer』
『クレアの取引3』
1/30〜2/20頃 『バレンタインクエスト』は女性キャラクターのみ受注可能
ホワイトデー[9] 『ホワイトデーイベント』
『総督の贈り物』
『クレアの取引4』
2/27〜3/20頃 『ホワイトデーイベント』は男性キャラクターのみ受注可能
イースター 『クレアの取引』
『闘技場クエスト』
3/20〜4/10頃 エグ・ラッピーが登場していたが『PSO2』とは姿が異なる
ハロウィン 『パイオニア ハロウィン』 10/10〜11/7頃 かぼちゃを被ったラッピーが登場していたが『PSO2』のラタン・ラッピーとは姿が異なる
クリスマス 『パイオニア クリスマス』 12/4〜12/25頃

開発秘話

以下の出典元はいずれも『PSO2放送局』#36 -『PSO』15周年記念 15時間生放送スペシャル!-より。
本作の企画段階では週刊少年漫画のような世界観のアクションRPGで、島を大きく発展させていく等の要素を取り入れる予定だった(タイトルも全く別の名前[10]だった)。
しかし、企画は中々まとまらず漠然としていた。
その頃、開発メンバーは各々試行錯誤を繰り返しながら色々なものを制作中で(酒井Pは動くドラゴンの開発に力を入れる等)そうする内に「SFにしよう」という話になり、『ファンタシースターシリーズ』の流れを汲む作品として世に出すことが決定した。

当初、本作の拡張ディスクでもあるEPISODEⅠ&Ⅱは『PSO2』として制作する予定だったが、「時間がかかるからやめろ」と却下されたためにそのまま修正&拡張版として発売された。

また、ドリームキャスト発売後もハードの(ネットワークモデム搭載)性能をフルに生かしたゲーム作品が全くなかったために、対戦型アクションゲーム『チューチューロケット!』でネットワーク周りの様子を見て、そのシステムを本作にも搭載することにしたという[11]
実装当初は不安だったが、ユーザー達が開発陣の予想を超えてオンラインで遊んでくれたことに驚いたという。
そして、SEGA社内にもPSO廃人を生み出す結果となってしまい、時刻を過ぎても社員が出社してこないなどの弊害が発生した。

関連項目

外部リンク

注釈

  1. 脚注:SEGA『ファンタシースターオンライン2』公式:広報Twitteなど。PSO2初期の頃に頻繁にツイートしていた挨拶「ぷそにちは~」はあまり浸透しなかった。
  2. 俗称。極一部のユーザー間のみ。
  3. 2016年1月7日より放映中のテレビアニメ『ファンタシースターオンライン2 ジ アニメーション』第一話のサブタイトルにも使用された。
  4. 追加・拡張ディスクの「ファンタシースターオンライン EPISODEⅠ&Ⅱ Plus」のオープニングムービーより。
  5. 立場上、表立って私情を持ち込めないタイレル総督に代わり、ついでにという名目で秘書からタイレル総督の娘「リコ・タイレル」の捜索も頼まれる。
  6. これら2つのクエストに共通している使用BGMは「Burning Hearts ~炎のANGEL~」。中祐司が開発に関わっていたSEGAのアクションゲーム「バーニングレンジャー」より。歌は光吉猛修
  7. 出典:4Gamer.net 「PSO BB」,新規クエスト配信&イベントスケジュール発表
  8. 出典:4Gamer.net「PSO BB」,バレンタインにちなんだ新規クエストなどを配信開始
  9. 出典:ITmedia +D Games:「PSO BB」ホワイトデーイベントを開催。ギルドクエストも追加
  10. 企画段階では『サードワールド』というタイトル。
  11. 『チューチューロケット!』は当時の新人社員が作ったミニゲーム作品が元になっている。

参考資料

©SONICTEAM / SEGA, 2000, 2003, 2004-2010
©SEGA